獣害は、農地や農村が地域のエサ資源の供給場所と野生動物に認識されたために発生する問題です。しかし近年は野生動物の人の生活圏への侵入が増加し、農村部への出没に加え、エサ資源の存在しない市街地に迷い込む事例が増加しています。ここで大切になるのは「地域政策」ではないでしょうか。具体的には、獣害による地域の被害の原因を正しく把握し、適切な対策を実施するための体制づくりとなります。今月号では、全国で初めて獣害対策で連携する広域の議員連盟を発足させた事例、3つの町が協力して集落ぐるみの対策体制を構築した事例、住宅街でのアーバンベア出没に備え市街地で獣害対策訓練を行った事例、野生サル対策に地域ぐるみでICTを活用した事例を交え、深刻な獣害被害にはどう対処していくべきかを考察していきます。
8月号特集:深刻な獣害被害へどう対処するか
巻頭言 山端直人(兵庫県立大学教授)
地域政策としての獣害対策の未来とは?
① 特集
被害を最小限に抑えるためにクマ対策を考える
佐藤喜和(酪農学園大学農食環境学群・環境共生学類教授)
クマと人との棲み分けのために正しい知識と対策を
近藤麻実(秋田県自然保護課 鳥獣保護管理チーム主査、ツキノワグマ被害対策支援センター)
動物行動学を取り入れた獣害対策が地域をつくる
江口祐輔(麻布大学教授フィールドワークセンター長、おおち山くじら研究所所長)
② 現地報告
東京都西多摩地域
連携して獣害対策を! 全国初、広域の議員連盟発足
天野正昭(東京都有害鳥獣対策議員連盟会長、東京都あきる野市議会議員)
鳥取県日南町・日野町・江府町
「日野郡鳥獣被害対策協議会」発足から10年を経て
小谷 勉(鳥取県日野町役場産業振興課鳥獣被害対策担当副主幹)
青森県弘前市
住宅街でのクマ出没を想定した対応訓練
齋藤大介(弘前市農林部農村整備課鳥獣対策係)
京都府福知山市
地域ぐるみのサル対策にICTを活用
土佐祐司(川合地域農場づくり協議会代表)
③ シリーズ 地方議会が向き合うべき新たな課題への対応
議会広報活動で押さえておきたい法律上のポイント【後編】
玉置菜々子(弁護士)
④ 連載
教養講座 議会のデジタル化をはじめてみよう!
長内紳悟(一般社団法人地方公共団体政策支援機構 代表)
第5回 誰のために議会は開かれるのか
議員研修講座 シリーズ 女性議員はどうすれば増えるのか
今 千佳(宮城県蔵王町議会議員)
シリーズ第35回 きっかけは女性模擬議会 立候補者すらいなかった町に女性議員が誕生するまで
地方議会最前線 ──「開かれた議会」を創る(リレー連載)
人羅 格(町村議会特別表彰審査委員/毎日新聞論説委員)
第5回 【町村議会特別表彰団体の事績】埼玉県寄居町議会 住民参加の「議会だより」で出色の成果
職員研修講座 地方議会事務局Q&A 議員をサポートする秘訣を教えます
吉田利宏(議会事務局実務研究会 議会アドバイザー)
第5回 議員間討議など、議会活性化の方法を尋ねられたら
随想 地方議会について考えたこと
井柳美紀(静岡大学人文社会科学部教授)
シリーズ 第41回 政治を身近なものにするための主権者教育
⑤ 広報・研修資料
議会広報紙を見やすく、わかりやすく
吉村 潔(エディター)
住民とのつながりこそ広報の未来をひらく
⑥ 議会人の声 「月刊 地方議会人」に想う 第16回
どのような立場でも常に「協議」できる「会」であるために
木村諭史(東京都新島村議会議長)
⑦ 議長会ニュース
全国市議会議長会・全国町村議会議長会