人口減少や過疎化などによリ経営が悪化した鉄道やバス事業者が撤退し、地域公共交通は危機に直面しています。持続可能な交通政策をめざし、鉄道路線廃止に対しては「再構築協議会」を、「2024年問題」に端を発する路線バスの廃止に対しては「地域公共交通活性化協議会」を設置するなど、全国各地で「暮らしの足」を守る試みが始動しています。またデジタル技術を活用した交通サービスも画期的な進展を見せ始めました。
今月号の特集では、自治体コミュニティバス方式で地域の足を守った市町村、デジタルを活用した公共ライドシェアで被災者に対応した事業者、地域の高齢化対策としてオンデマンド交通を実装化した村、高校生の署名活動からJR株取得へと動いた市など、各地で取り組まれる現地報告をまじえて解説していきます。
10月号特集:危機に立つ地域公共交通
巻頭言 竹内健蔵(東京女子大学 現代教養学部国際社会学科 経済学専攻教授)
地域公共交通を考えるときのポイントは何か
① 特集
交通政策の新制度はいかに暮らしの足を支えるのか 「再構築協議会」の課題とその克服
大坂直樹(経済ジャーナリスト)
デジタルが地域公共交通にもたらす大変革と自治体にとっての向き合い方
伊藤昌毅(東京大学大学院情報理工学系研究科附属ソーシャルICT研究センター准教授)
過疎地域における公共交通ビジネスモデルの再構築に向けた試み
谷本圭志(鳥取大学工学部社会システム土木系学科教授)
② 現地報告
大阪府富田林市、太子町、河南町、千早赤阪村
路線バスの危機にどう対応するか
猪井博登(富山大学都市デザイン学部准教授、4市町村による地域公共交通活性化協議会副会長)
石川県小松市
いよいよ動き出した「公共ライドシェア」
杉原裕斗(株式会社パブリックテクノロジーズ代表取締役COO)
岩手県九戸村
人工知能(AI)を活用したオンデマンド交通「まさざねGO」運行開始
関口麻輝(九戸村役場IJU戦略室交流発信係主事)
岡山県真庭市
市民の声で動き出したJR株取得のプロセスと今後の展望
三船哲弘(真庭市生活環境部くらし安全課係長)
③ シリーズ 地方議会が向き合うべき新たな課題への対応
議会の個人情報の保護に関する条例の制定と議会の運営【前編】
平野 誠(全国町村議会議長議事調査部参与)
④ 連載
教養講座 議会のデジタル化をはじめてみよう!
長内紳悟(一般社団法人地方公共団体政策支援機構 代表)
第7回 災害発生時の議会運営に対する現状と課題
議員研修講座 シリーズ 女性議員はどうすれば増えるのか
青木裕子(山形県朝日町議会議員)
シリーズ第37回 「3バン」なしを強みに 移住者が町政初の女性議員になって取り組んだこと
地方議会最前線 ──「開かれた議会」を創る(リレー連載)
窪田好男(京都府立大学公共政策学部教授)
第7回 議会と市民が協働で政策をつくる「わがまちトーク」の取組み =京都府舞鶴市議会=
職員研修講座 地方議会事務局Q&A 議員をサポートする秘訣を教えます
吉田利宏(議会事務局実務研究会 議会アドバイザー)
第7回 「予算修正」の方法を聞かれたら
随想 地方議会について考えたこと
櫻井智章(甲南大学法学部教授)
シリーズ 第43回 全国に波及するような先進的な条例を生み出そう
⑤ 広報・研修資料
議会広報紙を見やすく、わかりやすく
金井茂樹(自治体広報広聴研究所代表理事)
伝えたいことが伝わる議会広報紙
⑥ 議会人の声 「月刊 地方議会人」に想う 第18回
公共交通を中心とした持続可能な地域づくりを推進
藤井宏之(岐阜県白川町議会議長)