内閣総理大臣の諮問機関である第32次地方制度調査会は、その答申(令和2年6月)の中で「議員報酬については、主として小規模市町村において、それだけでは生計を維持できないほどの低水準であり、そのことが議員のなり手不足の要因であるとの議論がある」と指摘しています。議員報酬の額については、各自治体が条例で定めることになっているため、議会内でその議論がなかなか進まないのが現状です。このような状況に鑑み、全国町村議会議長会は、本年2月、議員報酬の充実に向けた論点と手続きをまとめた報告書を公表しました。今月号では、この報告書の骨子について紹介するとともに、報酬格差の解消や低額な議員報酬の改善など適正な議員報酬をめぐる取組みについて、現地報告を交えながら解説していきます。
4月号特集:「議員報酬」を考える
巻頭言 大森 彌(東京大学 名誉教授)
自治体議員の報酬をどう考えるか
① 特集
住民自治を進めるための議員報酬 ──「新たな原価方式」の意義と課題
江藤俊昭(大正大学社会共生学部 教授)
町村議会の議員報酬の充実に向けて
全国町村議会議長会
報酬格差は最大6倍 ──報酬が高いほど平均年齢低く
磯道 真(日本経済新聞社 地域報道センター 「日経グローカル」前編集長)
自治体議員報酬の歴史を考える
堀内 匠(北海学園大学法学部 准教授)
② 現地報告
京都府精華町
ダイバーシティに向けた議員報酬への取組み
三原和久(京都府精華町議会議長)
愛媛県西予市
同時に議論を深めた議員報酬と定数の経緯
佐藤恒夫(愛媛県西予市議会議長)
沖縄県読谷村
“ いちゅいゆんたんざ ” に ふさわしい議員報酬の検討
伊波 篤(沖縄県読谷村議会議長)
③ 第36回町村議会広報全国コンクール総評・講評
表紙デザイン賞「金賞」は岩手県雫石町議会 「奨励賞」に8団体を選考
全国町村議会議長会
④ 令和3年度町村議会表彰
議会改革に積極的に取り組んだ21団体を表彰
全国町村議会議長会
⑤ 時流観望
首相、「戦後最大の国難」で問われる指導力 =国会順調も「ウクライナ」と「コロナ」で苦悩=
泉 宏(政治ジャーナリスト)
⑥ 連載
教養講座 地方議会人のための予算・決算入門 ー議会の監視・政策提言力を高めよう
佐藤綾子(富山国際大学 教授)
最終回 財政制約下の予算・決算
議会運営講座 ポイント別でわかりやすい! 地方議会・議員の基礎知識
鵜沼信二(元全国都道府県議会議長会 事務局次長)
第16回 除斥
議員研修講座 シリーズ 女性議員はどうすれば増えるのか
佐々木志津子(新潟県見附市議会議員)
シリーズ第7回 女性が政治を身近に感じるためには
変える議会、変わる議会 ―改革はどこまで進んだか
人羅 格(毎日新聞論説委員)
第13回 議長の「引き継ぎ方式」と決算の徹底審査がエンジン =岐阜県可児市議会(上)=
随想 地方議会について考えたこと
土山希美枝(法政大学法学部政治学科 教授)
シリーズ 第13回 市民と議会の「仲直り」を考える
⑦ 議長会ニュース
全国市議会議長会・全国町村議会議長会