行政監視から行政提案へ④
1 委員会の所管事務調査の利用
⑴委員会が「通過機関」になってない?
かねがね気になっているのが、委員会審議の影の薄さです。会期が窮屈なこともあるからでしょう。雨あられと降ってくる首長提出議案をさばいているだけで委員会が終わっている感じがするのです。常任委員会であっても、地方自治法が設置を義務付けているわけではありません。それぞれの自治体が条例を定めて委員会を設置し、委員会審議を中心に据えることを決めたのです。それなのに、委員会が「審査機関」ではなく単なる「通過機関」になってはいないでしょうか。多くの議会基本条例で、原点を思い出すべく、委員会の役割について規定をしています。
〇多摩市議会基本条例
(委員会の運営)第15条委員会は、所管にかかわる市政の課題について、市長提案の議案等の審査、所管事務の調査及び政策提案を積極的に行うものとします。
2〜4略
⑵注目される所管事務調査
「粛々と審査する」。議会でよく使われるフレーズです。しかし、首長提出議案を待って粛々と審査するだけでは議会は十分に役割を果たしたことにはなりません。委員会を設置しているなら、所管に係る行政の問題点を積極的に見つけ出し、その改善を行政に働きかけることが重要です。委員会の所管事務調査がよく話題に上るのにはこうした背景があります。
〇雲南市議会基本条例
(委員会)第16条略
2委員会は、所管する事務に関する調査を積極的に行うよう努める。
3略
4委員会は、政策評価や決算審査及び議会報告会等での市民からの意見を踏まえ、積極的に政策提言をするよう努める。