今月号では「高齢者の孤独化を防ぐ―地域コミュニティの活用」を特集しています。わが国の高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)は、昭和25年(1950年)には5%に満たなかったが、次第に上昇を続け、平成29年(2017年)には27.7%にも達しています。さらに、今後総人口が減少する一方で、高齢者の増加が確実視され、平成77年(2065年)には、実に38.4%にまで達すると見込まれているのです。わが国は世界有数の長寿国です。当然ながらこうした情勢を踏まえ、高齢者の孤立防止が大きな社会的課題とされています。わが国の高齢化対策は、今後本格的な高齢化時代を迎えようとしている世界各国から大いに注目されています。今月号では、多世代間の協力拡大や高齢者の社会的孤立の防止に留意しつつ、高齢者が安全で安心かつ豊かに暮らせる地域コミュニティづくりを進めていくことの重要性を解説しています。
5月号特集:高齢者の孤独化を防ぐー地域コミュニティの活用ー
巻頭言 杉澤秀博(桜美林大学大学院・老年学研究科教授)
独居高齢者が抱える問題とその解決
①特集
「新たな高齢社会対策大綱と高齢者の『担い手』としての地域参加」
田中智也(内閣府政策統括官<共生社会政策担当>付高齢社会対策担当 参事官補佐)
「世代間交流により高齢者の孤立を防ぐ〜Win-win戦略とは」
藤原佳典(東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム研究部長)
「孤立化する高齢者『寂しい老後』をこれ以上生むな」
葉上太郎(地方自治ジャーナリスト)
「私的介護の拡大と高齢者の孤独問題」
石橋未来(大和総研政策調査部研究員)
②現地報告
群馬県20市町村
コープ群馬の高齢者見守り活動
針谷勉(生活協同組合コープ群馬総合企画室)
福井県小浜市
地域協働型むらづくり事業を通じ、高齢者と次世代の交流を作る取り組み
坂下憲治(中名田地区 田村のゆめづくり協議会代表)
③連載
教養講座 「議会基本条例を議会に活かす・住民に活かす」
吉田利宏(議会事務局実務研究会 議会アドバイザー)
連載第13回 ー会議規則の整備①
議員研修講座「市町村議員のためのよくわかる地方税」
廣瀬宏志(総務省自治税務局 前企画課 総務室長) 吉井俊哉(前都道府県税課 課長補佐)
連載第12回 その他の地方税等(最終回)
④特別寄稿
「新たな2つの議会」提案の衝撃〜総務省「町村議会のあり方に関する研究会報告書」を素材に地方議会改革を考える〜
江藤俊昭(山梨学院大学大学院研究科長・法学部教授)
⑤時流観望
「公文書」「セクハラ」で求心力低下ー首相=与野党対立激化、重要法案成立見込めず=
泉 宏(政治ジャーナリスト)
⑥町村議会特別表彰受賞団体の事績②
小さな離島の町の大きな挑戦〜長崎県小値賀町議会の議会革命の事績〜
長崎県小値賀町議会