NEW 近年、日本を訪れるインバウンド(外国人観光客)が増える一方、オーバーツーリズム(観光公害)の問題が浮上しています。バス停に長蛇の列ができ、地域住民から「バスに乗れない」などの苦情が出たり、違法駐車も見られたりします。そのほか放置ゴミや食べ歩き、落書きなどの迷惑行為やマナー違反などがオーバーツーリズムの例として挙げられます。地域再生の方法としてインバウンド観光は有効ですが、対応範囲を超える観光客の増加は地域にネガティブな影響を与えてしまうでしょう。観光地では今後、どのような対策を取るのが正解なのでしょうか。インバウンドにマナー啓発を呼び掛ける村、突然世界から注目された勢いをさらに盛り上げようとする市、来島者に行政経費の負担を求める新税の導入を決めた市議会、自然環境保全にかかる利用者負担を求める新税導入を検討中の町議会など、各地での現地報告をまじえて考察していきます。
12月号特集:インバウンドとの新しい向き合いかた
巻頭言 星野佳路(星野リゾート代表)
観光立国への2つの課題
① 特集
観光に消費されないまちをつくろう 地域協働によるオーバーツーリズム対応の可能性
高坂晶子(日本総合研究所主任研究員)
オーバーツーリズムを機に「保全」優先の観光戦略を
田中俊徳(九州大学アジア・オセアニア研究教育機構准教授)
インバウンドによる地域活性化の可能性とその課題
池上重輔(早稲田大学商学学術院大学院経営管理研究科教授、ビジネススクール研究科長)
② 議員レポート
広岐阜県白川村
外国人観光客に呼びかける「責任ある観光(レスポンシブル・ツーリズム)」
小瀬智之(岐阜県白川村観光振興課課長補佐)
岩手県盛岡市
世界が認めた観光スポット「MORIOKA」 ニューヨーク・タイムズ効果でインバウンドは過去最高に
藤谷 徹(岩手県盛岡市観光課長)
広島県廿日市市
「宮島訪問税」の新設導入までの経緯
新田茂美(広島県廿日市市議会議長)
沖縄県竹富町
島の未来を次世代へ引き継ぐために 竹富町訪問税(仮称)導入に向けて
山城 元(沖縄県竹富町議会事務局長)
③ シリーズ 地方議会が向き合うべき新たな課題への対応
議員報酬の改善に係る課題【後編】 議員報酬の適正化に向けたロードマップ
飯田 厚(全国町村議会議長会議事調査部長)
④ 連載
教養講座 議会のデジタル化をはじめてみよう!
長内紳悟(一般社団法人地方公共団体政策支援機構 代表)
第9回 地方創生が示唆した真の議会のデジタル化
議員研修講座 シリーズ 女性議員はどうすれば増えるのか
小御門 綾(宮崎県延岡市議会議員)
シリーズ第39回 私のまちは私がつくる 女性議員を増やすための会を立ち上げる
地方議会最前線 ──「開かれた議会」を創る(リレー連載)
林 紀行(日本大学法学部教授)
第9回 全国唯一飛び地の村議会の挑戦 =和歌山県北山村議会=
職員研修講座 地方議会事務局Q&A 議員をサポートする秘訣を教えます
吉田利宏(議会事務局実務研究会 議会アドバイザー)
第9回 政務活動費の使われ方に疑問を感じたら
随想 地方議会について考えたこと
出水 薫(九州大学大学院法学研究院教授)
シリーズ 第45回 議会カイカクの改革へ
⑤ 議会人の声 「月刊 地方議会人」に想う 第20回
「多様性がある議会」で次の世代のための環境づくりに邁進する
澤口千里(北海道厚真町議会議員)
⑥ 議長会ニュース
全国市議会議長会・全国町村議会議長会