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議会からの条例入門 第7回 ―法令用語①―

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議会からの条例入門 第7回 ―法令用語①―

議会の条例立案技術の向上をはかるための基本的知識・具体的要点の解説とともに、様々な形で条例を立案する知恵や知識について連載していきます。

1 法令用語を知る意味

連載も残り少なくなりました。

 最後は定番の法令用語について確認をしておきましょう。「法令用語の解説がないと、条例づくりという雰囲気がでないものなぁ」。そう納得されている読者もおられると思います。雰囲気だけの問題ではありません。法令用語は、条例を審査し、制定する議会の一員としてはどうしても身に付けておかなければならない知識なのです。法令用語には日常生活では使わない言葉もあります。

 日常の言葉には「手あか」が付きすぎています。生活のなかで使われるうちに、いろいろな意味が含まれる可能性があります。そこで、こうした日常の言葉とは切り離した言葉を使う場合があるのです。たとえば、「事情を知らない」ことを「善意」と法令では表現します。もし、「事情を知らない=善意」なら、善意という言葉など必要ないように思うかもしれません。しかし、「事情を知らない」というと、何か、知らないことに対する批判めいた意味を受け取る人があるかもしれません。法令の世界では、善意はただ「事情を知らない」という客観的な意味しかありません。もし、そうなったことについて、落ち度がある場合には、善意とは別な要素として加えます。たとえば、善意無過失といえば「事情を知らず、知らないことに落ち度がない」という意味になります。

 法令用語には、日常の用語と同じ用語であっても、意味を限定して使う場合もあります。日常用語では、「近い親戚」というくらいの意味で「親族」という言葉を使いますが、法令で使うときには、配偶者、6親等以内の血族又は3親等以内の姻族をいいます。民法でそう決めているからです。これをベースに「同居の親族」なんて、さらなる法令用語が作られます。親族の範囲が分からないと法令を雰囲気でしか理解できたことになりません。

 危機感をあおっておいて、こういうのはなんですが…、すべての法令用語を覚えておくことは無理です。実際は、法令用語の本などを手元に1冊置いておいて、折に触れて確認するのがいいように思います。そうはいっても基本的な用語だけは理解しておくと便利です。条例を理解し、条例を立案するために最低限必要な用語をいくつか紹介させていただこうと思います。

2 基本的法令用語解説

(1)条文の構造を見抜く用語

・大きなバナナが大好きなワニ

 「 大きなバナナが大好きなワニ」。この文章を読んで「大きな」が「ワニ」にかかると読む人は少ないことでしょう。かかる可能性はあります。しかし、ワニにかけたいのであれば「バナナが大好きな大きなワニ」とすればいいからです。バナナは大きくても、ワニは大きくないかもしれません。このようにかかり方が分からないとまず日本語として正確に理解できないことがあります。法文の場合には、かかり方を正確に伝えるためのシグナルとして埋め込まれた法令用語があります。覚えておいてほしいのが、その条文の構造を理解するために埋め込まれた用語です。

・「又は・若しくは」

 最初に紹介したいのが「又は・若(も)しくは」です。「又は」も「若しくは」も、英語にすれば、どちらも「or」の意味ですが、法文上は使い分けをしています。たとえば、条文に「A、B又はC」とある場合には、図1のようにA、B、Cという3つのグループが並列的にあることを意味しています。

 これに対して、「A若しくはB又はC」の場合には、「A・Bグループ」と「Cグループ」があり、図2のように、この2つのグループを「又は」でつなぐイメージです。

 簡単にいいます。「又は」と「若しくは」が両方使われている条文を見つけたときには、すぐに「又は」にマーク(印)をつけましょう。そこで大きく分かれるのです。「又はで大きく分かれるんだ…」と読めるようになるのが第一歩です。さらにいえば、どうして「又は」の部分で分けたのだろうと想像をめぐらすことができればいいでしょう。ひとつ、練習として、次のAとBの文章を読んでみてください。

 Bの文章では、「魚系ならイカや赤身、魚系じゃないのなら卵焼きの良し悪しでそのおすし屋さんが判断できる」といっているわけです。判断の対象となるすしネタが2つのグループに分かれているので、「又は」でつないでいます。

 お話ししたように「又は」と「若しくは」がある場合には、「又は」のところで大きなグループ分けがあると判断できます。ただ、イカも赤身も卵焼きだって、すしネタなのです。Aの文章のように、「イカ、赤身又は玉と呼ばれる卵焼き」と単純に並べてもいいのではないかという疑問が湧きます。もちろん、単純に並べることも可能です。しかし、単純に並べなかったところに書き手の意図を感じとるべきです。「おすし屋さんだから魚系のネタで分かるのは当然だけど、意外や意外、卵焼きでも分かるのだよ」という気持ちをグループ分けで表しているといえます。

詳細は地方議会人2月号で解説していきます。

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